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「正しく届ける」をログで証明。高度な管理で大切な文書を送り出す、BPO拠点の舞台裏

機密性の高い業務を可能にする、東海BPOセンターの強み
―――まずは東海BPOセンターの役割について教えてください。
寺田: 東海BPOセンターは、西川コミュニケーションズ(以下、NICO)のBPO業務を支える拠点です。1997年に「グラフィックアーツセンター」の名称で印刷工場としてスタートし、BPO事業の拡大に合わせて2023年に現在の名称になりました。
チラシやカタログ、DMなどの印刷や、書類審査や金券・現金の発送代行、それらに関わるロジスティクスまでを、一気通貫で取り扱っています。
―――寺田さんはどのような業務を担当されているのですか?
寺田: 現在は工場全体のDX推進や業務改善、特にセキュリティ面の強化を担当しています。
それ以前は、直接お客様とお話しをする営業担当と、印刷・加工を行う製造現場の間に立ち、情報の整理やスケジュール管理といった各種の手配を担当していました。さらに以前にはNICO全社の個人情報を管理する専門部署や、DM製造の現場も経験しています。とにかく入社以来ずっと、DM製造とそれに関連する個人情報の管理などに関わってきました。
さらには日ごろから業務の改善活動を進めてきたこともあり、部署単位ではなく工場全体でそれを進めてほしいと任されまして、現在に至ります。
―――なるほど。DM製造は宛名データという個人情報を扱いますから、高度なセキュリティを求められますよね。寺田さんは実務を通してその重要性を体験してこられたわけですね。
寺田: そうなんです。まだ個人情報保護への意識が今ほど高くなかった20年ほど前から、NICOでは、個人情報を扱う部署には生体認証による入退室管理が徹底されていたくらい、個人情報の保護には先進的だったんですよ。
私はその管理ルールにのっとり、機密性の高い情報を安全に運用することに携わってきました。
―――20年前から生体認証! 当時としてはかなり先進的だったのではないでしょうか。
寺田: そうですね。工場の中に一部屋だけ厳重なセキュリティルームがあって、当時としては珍しいものだったと思います。私は入社したばかりだったので、そういうものだと当たり前に受け止めていましたけれど(笑)。
最初はその一室のみでしたが、時代が進み個人情報への意識が高まるにつれて、認証が必要なエリアが広がり、やがてセンター全域で入退室管理が行われるようになりました。
現在ではさらに踏み込んで「アンチパスバック」を導入しています。
●アンチパスバック
入室時に認証を受けログを残さない限り、次の部屋へ進むことも、外へ出ることもできなくなる仕組み。
入室権限がある人であっても、正しくログを刻まなければ移動できず、誰が・いつ・どこにいたのかを正確に把握することができます。
建物入り口にある認証機。人差し指の静脈で個人を識別します。
認証機はエリアごとに設置されており、その場のセキュリティレベルに応じた権限を持つ人だけが入室可能
―――徹底した管理ですね。それほどまでに厳格な体制を整えているのは、やはり扱う情報の重みや、ミスが許されないという責任感からなのでしょうか?
寺田: はい。社内でもよく言われているのは、DMはクライアントとユーザーを結ぶ大切な接点であるということです。個人情報の取り扱いや、送付物にミスがあったりすると、クライアントの信頼を損ねることになります。だからこそ、ミスをしない運用が非常に大事であり、その重要性を肌で感じています。
―――そんな寺田さんから見て、東海BPOセンターの他社に負けない強みとは何だと思われますか?
寺田: 現在ではリアルとデジタルをかけ合わせた管理能力ですね。BPOと一口に言っても、その種類はさまざまです。中でも私たちが得意とするのは、機密文書や現金・金券といった物理的なモノ、また書類の電子化や審査業務を通じたデジタルにおける管理など、特に高い管理レベルが求められる領域です。
徹底したセキュリティ管理と合わせて、作業ログをかならず取得するなど、ミスを排除し作業品質を高める取り組みを続けてきました。だからこそ、他社では敬遠されがちな難易度の高い業務も安心してお任せいただけるんですよ。
訪問者に貸与される入館許可証。こちらも立ち入る範囲に応じたレベルの許可証が用意されている
1通ずつの重量ログで「入っていない」のクレームにも対応
―――金券の取り扱いとは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
寺田: 企業ではキャンペーンの景品やリコール対応などですね。自治体の場合は住民の方へ送る給付金・補助金などを数多く受注しています。金券はもちろん、現金を送ることも可能です。
―――非常に扱いが難しいものだと思いますが、どのように対応されているのですか?
寺田: まずセンター内は重要度に応じて3段階のレベルでエリア分けをしており、金券や現金はレベルの高い場所でのみ作業をしています。
それから徹底しているのが「正しく処理をした」という証拠を取ることです。
●作業ログの取得
重量、厚み、連番など、案件によって方法は異なりますが、作業ログは必ず取るようにしています。金券の場合は必要な枚数がきちんと封入されているか、1通ずつの封筒の重量を測り、封筒の管理番号と紐づけて記録します。
重量検査機。白いベルトの上を流れていく際に重量が測られる。右の部分では1通ずつの管理番号を読み取っている。
封筒のサイズによっては手動で操作する別の機械を使うことも
●マッチング作業
Aさん宛の封筒には正しくAさん宛の封入物が入っているか、封入物に印刷されている管理用のバーコードを読み取って照合し、紐づけを確認してから封入します。
金券発送以外の案件でも、送付内容が宛先ごとに異なる場合はこのマッチング作業を必ず行います。
金券発送の場合は、必ずこの重量ログとマッチングを行います。また、納品前には全ログを突き合わせて検品します。
マッチング作業の様子。一人が封筒と封入物のバーコードを読み取り、照合が済んだものを封入する
―――計量も1通ずつですか! 非常に手間がかかりますね。
寺田: はい。やはり金券は1枚の過不足も許されないですからね。
また、実際には入っているのに「入っていなかった」とお問い合わせをいただくことも稀にあるんですよ。
そんな時、この詳細なログを提出すれば、私たちの作業に不備がなかったことが証明できます。だからこそ営業担当も自信をもってお客様と向き合えますし、そんなお問い合わせがあったとしても落ち着いて対応できます。
―――なるほど。そんなリスクもあるんですね。
寺田: 間違いなく予定どおりの内容を封入したという証拠を残すには、重量ログが一番なんです。
なお金券発送の場合は1通ずつの重量を測りますが、管理番号がない案件なら作業の記録を画像で残す場合もあります。案件によって方法は異なりますが、とにかく何らかの作業ログは取っています。
「当たり前」のレベルを高く。信頼に応える現場の責任感
―――そういった厳格な管理をすることになったきっかけなどはあるのでしょうか?
寺田: 特に何かがあったというわけではないんです。やっぱり自分たちの仕事の品質を高めたいというのが一番ですね。そのためには「ここまでやるべきだ」という意識が最初から当たり前にありました。
もともとログの取得は、件数の把握のためにずっと前から行ってきたんです。そこへ新たに金券を扱うことになって、ミスなく運用していくにはどうすればいいかと考えたとき、1通ずつの重量ログを取っていくしかないだろう、とごく自然な流れで決まったと記憶しています。
―――NICOがBPO事業を拡大し始めたのは2020年ごろからですが、新たな取り組みというよりは、これまでの業務を集約したものだと伺ったことがあります。情報管理やセキュリティへの姿勢も、古くからの伝統なのですね。
寺田: そうなんです。ですから、BPO事業を拡大していく中でそれまでに経験のない新たな案件もたくさんいただきましたが、どこをどう強化していくべきなのかに迷うことはありませんでした。これまでの積み重ねがあったからこそ、大きな混乱なく対応していけたと思います。
NICOがBPOへと事業を拡大してきた背景については、こちらの記事もご覧ください
―――NICOには、お客様の期待に全力で応えようとする文化がありますよね。他社では敬遠されがちな案件でも対応できる体制も、その文化の中で育まれたものなのでしょうか。
寺田: そうだと思います。BPOセンターは営業担当から案件を受ける立場ではありますが、営業担当とともにお客様に向き合い、責任を持って案件に取り組んできました。その責任感はやはりお客様と向き合っていく中で培われたものだと思います。
新たな案件をいただいたら、それを確実に仕上げ、お客様に安心してお任せいただくにはどこまでの対応が必要なのかという視点で、まずログ取得方法やチェック体制を考える。それがもう当たり前になっているんですよ。

さらなる安心のために。東海BPOセンターが描く未来の姿
―――システム面での進化はもちろんですが、現場で働く方々の意識も変化してきているのでしょうか?
寺田: 従業員のみなさんの意識は、年々確実に高まっていると感じます。新しい案件が入ると、誰に言われるでもなく「作業環境に問題はないか」「保管場所はここでいいか」「適切に管理できるか」と、まず現場から自発的に声が上がるようになっていて、とても頼もしいですね。
もちろん、もっと上を目指すことはできると思いますが、一人ひとりが「お客様の情報を守る」という責任を自分事として捉え、現場はどんどんよくなっています。
―――今後、新たに取り組んでいきたいことはありますか?
寺田: 教育やデジタル活用を含め、センター全体で品質を支える取り組みは続いています。今取り組んでいる品質管理をさらに研ぎ澄ませ、当たり前のレベルを引き上げていくことですね。
中でも作業ログはもっと活用できるようにしたい。現在はログをいつでも提出できる体制を整えてはいますが、あくまでお客様から求められた際にお出しする運用が主です。これを一歩進めて、ログを成果物として納品することを当たり前の状態に持っていきたいです。
また、ログには1通ずつの管理番号に対して作業時刻が記録されていますから、これを分析することでサイクルタイム※の改善にも使えるのではとも思っています。
※サイクルタイム:製品ひとつを作るのにかかった実際の時間のこと
―――ログの活用がお客様に提供する価値の向上や社内の改善にもなるのですね。では最後に、東海BPOセンターが今後どのような存在を目指していくのか、改めてお聞かせください。
寺田: 東海BPOセンターでは、「東海エリアNo.1のBPOセンター」をひとつの理想として掲げています。ここでいうNo.1とは、規模の大きさではなく、どこよりも確かな品質のことです。
冒頭でもお話ししましたが、DMなどの通知物は、クライアントとユーザーを結ぶ大切な接点。そこにミスがあれば、お客様の評価を損なうこともあり得ます。だからこそより確かな品質をお届けしたいと思っています。
目指すのは、単なる業務の委託先ではなく、お客様のブランドをともに守る唯一無二のパートナーです。「NICOに任せておけば絶対に安心だ」と、心から頼っていただける存在であり続けたいですね。
NICOのBPOサービスの詳細はサービス資料をご覧ください
資料ダウンロード寺田福和
西川コミュニケーションズ株式会社 東海BPOセンター 入社後、DM製造のオペレーター、現場管理を担当。その後、名古屋本社にて個人情報管理業務に携わる。東海BPOセンターに戻り、現在は業務企画課にてDX推進、セキュリティ管理を担当。
