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 販促業務におけるデータ管理の課題を解決する、デジタルアセット管理システム「シエルト」【後編】
CIERTO 2020.11.05

販促業務におけるデータ管理の課題を解決する、デジタルアセット管理システム「シエルト」【後編】

従来の紙のカタログやチラシのほか、ECサイトやWEB広告、SNSと、販促や販売におけるチャネルは多様化が進んでいます。経済産業省がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するなか、販促ツールのデジタル化が今後ますます進んでいくことは間違いなく、それにともなって取り扱うデータの種類や容量は増え続けていくでしょう。さらにテレワークの普及により、出社前提で考えられていた社内外のデータの受け渡し方法なども見直しの時期にきています。

増え続けるデータをどう管理・運用していけばいいか。管理方法としてデジタルアセットマネジメントシステム(DAM)の導入を考えているが、自社に合ったサービスはどれなのか。お悩みの方も多いのではないでしょうか。

そこで、弊社が提供するデジタルアセット管理システム「シエルト」について、セールスマネージャーの尾野貴敏にインタビューしました。

データ管理の必要性とシエルトの概要について紹介した前編に続いて、後編はシエルトの詳しい管理機能についてご紹介します。


データのやり取りが煩雑になりがちな現場こそシエルトが活躍する

―――シエルトが効果を発揮するのはどのような企業でしょう?
尾野: 
業種はさまざまです。これまで小売りやメーカーなどの幅広い企業に導入され、業務削減効果を出してきました。部署としてはカタログやECサイトなどの販促施策を担当している営業・販促部署が多いですね。

販促物の制作に社内外たくさんの人が関わっているだとか、取り扱い商品の点数が多いだとか、紙媒体から動画、WEBなど幅広い販促物を駆使している、あと複数の販売拠点をお持ちで本部から各拠点に向けて販促用データを支給しているなどの企業でより効果を発揮していますね。基本的に、データのやり取りが煩雑になりがちな職場ほど導入のメリットが大きいです。

―――業務フローというのは企業ごとにあると思いますが、シエルトの機能は企業ごとにアレンジできるのでしょうか?
尾野:
 はい、シエルトの機能はかなり細かく設定可能です。導入前にはまず業務フローを把握することから始まりますね。社内のどの部署がどのデータを持っていて、どこの協力会社とどのようなやり取りをしているか。その協力会社にはどのデータまで見せるのか。現在の社内外でのデータ管理状況を把握することが、シエルトを使った効率的な業務フロー構築の第一歩です。


―――企業側はデータ管理状況を事前に調査しておく必要があるでしょうか。
尾野: 
いいえ、これをやろうとすると非常に労力が必要です。管理状況の調査から、シエルトを活用した効率的な運用フロー設計、それに合わせた環境構築まで、我々が一貫してサポートします。

とりあえず導入して使いながら試行錯誤してやっていく、というのは時間がかかるのでお勧めしていません。最初にしっかりと業務フローを把握し、それに応じてシエルトの設定を固めた状態で運用スタートさせるのが理想ですね。


―――導入後もサポートはあるのでしょうか?

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尾野: もちろん初期設定だけではなく、その後も継続してサポートしていきます。使っているうちに「もっとこうしたい」とか「こういうことはできないか」など出てくることもありますので、より効率的なデータ運用のご提案を続けていきます。

さらに、データが効率的に運用されるようになれば、販促ツールの新たな可能性が見えてくることもあります。いずれは効果的な販促ツールや施策のご提案もしていければと思っています。

プレビュー表示と情報の紐づけで、コンテンツを効率的に管理

―――では、シエルトの機能を具体的にお聞かせください。
尾野:
 まずやはり基本となるのはコンテンツ管理ですね。商品写真、動画、カタログなどのコンテンツデータに、スペックや価格などの商品情報、それから許諾情報なども紐づけして⼀元管理できるという基本の機能です。

保管されたデータはブラウザ上でプレビュー表示されますし、付帯情報を細かく紐づけすることで、目的のデータを効率よく探すことができます。


―――Adobe系のアプリケーションもプレビュー表示可能というお話でしたね。
尾野: Adobe InDesignやPhotoshop、Illustratorなどのネイティブデータがプレビュー表示できるのがシエルトの特長です。Adobe系のデータをプレビュー表示できるDAMは意外と少ないんですよ。せっかくDAMで管理していても中身が確かめられないのでは把握しきれませんし、自分では中身が確かめられないデータを受け渡しするというのは怖いですよね。結局外部の制作会社に変換を頼むことになってしまったりして、そこでタイムラグが生まれてしまいます。

シエルトでも「.ai」や「.indd」から「.jpg」などへの変換まではできないのですが、プレビュー表示ができればその画面をスクリーンショットで画像化することはできます。営業資料の作成くらいならじゅうぶん使えます。ちょっとしたことですが、担当者レベルでサッと画像が用意できれば、それも業務の効率化になりますよね。

さらにプレビューの拡大表示が可能なので、簡単な校正作業までシエルト上で可能です。校正用にPDFを作る必要がなくなり、ここでもかなりの工数削減になります。


―――業務の効率化ということなら、検索のしやすさというのも重要ですね。
尾野: コンテンツに紐づけられた情報はもちろん、IllustratorファイルやOfficeデータ、PDFなどのテキスト本文を対象にした全文検索も可能なので、より検索しやすくなっています。

また商品情報をCSVファイルで書き出すこともでき、それをそのままカタログやECの原稿として利用いただけます。複数のECサイトや自社サイト、SNS、カタログなど、ひとつの商品の情報が複数のツールに掲載されていると、それぞれの媒体に最新の情報が間違いなく掲載されているかの確認作業が必要になりますよね。シエルトにすべての正しい情報をまとめておき、そこから原稿を作成するというフローを確立しておけば、校正回数を減らしてスピーディなメディア展開が可能になります。


―――CSVファイルの書き出し項目などは自由に設定できるのでしょうか?
尾野: はい。項目も自由ですし、ECサイトごとの掲載ルールに合わせた出力プリセットなど、複数のプリセットを用意しておくこともできますよ。ただ導入後の設定変更については、すべて企業側で設定できる場合と、我々が設定する場合と、プランによって異なります。


許諾情報の管理と細かなアクセス制限で、セキュアなデータ共有を実現

―――コンテンツが情報と紐づけられてアップされていれば、共有もしやすくなりますね。
尾野: 
はい。さらに一文字のキーワードを対象にした検索や、and/notなどの条件を複数組み合わせたキーワード検索、リストを使用した一括検索など、強力な検索機能で目的のデータ探しをサポートします。

また、これはオプション機能になりますが、データに情報が紐づいていることで、許諾情報の適切な管理ができるのも重要なポイントですね。


―――許諾情報のあるデータというのは、具体的にはどんなものでしょうか?
尾野: モデルやタレントを起用した素材にはだいたい使用期間が設定されていますし、使用範囲が限定されているデータもありますよね。販売を終了した商品の写真、リニューアル前の旧ロゴデータなど、使用はできないけれど残したいデータもあると思います。

しかし、たとえば印刷物なら使用OKだけれどWEBは不可というモデル写真を、ECサイトの担当者が知らずにサイトに使ってしまうなどすると、ただの連携不足が著作権法違反などを引き起こすことになります。


―――データの不正使用は、企業のブランディングにも関わってきてしまいますね。
尾野: 
はい。不正利用を防ぐため、データに紐づけられた情報をもとに、使用期限の切れたデータは自動でダウンロードボタンが非表示になるなどのコントロールができるようになっています。

データを個別管理している場合、許諾情報についても管理担当者だけが把握しており、データ支給依頼があるたびに使用用途を確認してOKならデータを送るなどの業務フローになっているのではないでしょうか。それも大きな負担ですよね。スムーズにデータを共有して活用するには、許諾情報の自動コントロールは役立つ機能です。


―――データ共有は社外とも可能でしょうか?
尾野: 
はい。アカウントごとに階層・ファイル単位での細かいアクセス制限が可能なので、社外に対しても安全にデータ共有できます。

また、アカウントを持たない相手にダウンロード/アップロード/閲覧用のURLを通知して、一時的にデータを共有することも可能です。


スピーディな多メディア展開を可能にするデータ編集機能

―――データ共有の目的は、ほかメディアへの展開のためかと思いますが、メディア展開に際して他に便利な機能はありますか?
尾野: 
画像のサイズやフォーマット変換がシエルト上で可能です。あらかじめ設定しておけば、縦横比率の揃った画像を一括してリサイズしつつフォーマット変換という作業も自動化できるので、たとえば楽天やAmazonといったECサイトごとの掲載ルールに合わせたデータも簡単に用意できます。先にもお話ししたように商品情報もCSV形式で書き出しできるので、ECサイト用の画像と原稿を自動で書き出すことができるわけです。


―――フォーマットの変換まで担当者レベルでできるというのは、かなりの時間短縮になりますね。
尾野: カタログの制作は協力会社に制作を依頼していても、ECサイトの運用は社内でやっているとか、SNS用に解像度を落としたデータがほしいとかありますよね。そのたびに制作会社に変換を依頼するとなると、タイムラグと相応のコストが発生してしまう。社内の担当者が自分のPCで自由に操作できれば、スピード感を持ってあたれますし、コストカットにもなります。


―――動画の変換も可能でしょうか?
尾野: 
はい、動画もあらかじめプリセットされた汎用性の高いフォーマット・コーデックに変換できます。何秒の部分から何秒の部分までと指定して一部分のみを切り取ることも可能です。

動画のフォーマット変換や部分切り取りはとてもやっかいな作業です。専門的な知識やアプリケーションが必要になるので、外部の制作会社などに依頼するしかなかったと思います。それをシエルト内で簡単にできるというのは、相当なコストカットと時間の短縮になりますね。


―――画像とCSVへの書き出しを自動化できるとのことですが、そのほか自動化できる機能はありますか?
尾野: 
指定の動作をトリガーにして、データのコピーやフォルダ移動、関係者へのメール通知なども自動化できます。ご要望のフローに合わせて柔軟に設定できるので、余剰な手間・待ち時間のない円滑なワークフローの構築をお手伝いしますよ。

自動化については個別開発の部分が多いので、直接お問い合わせいただければ詳しく説明いたします。


―――個別開発ができるのならば、まだまだいろいろな可能性がありますね。では、そのほかに特筆すべき固定の機能はありますか?
尾野: 
まだまだ機能はたくさんありますが、特筆すべきとなるとオンライン校正機能ですね。
一部プランのみになりますが、オンライン校正用サービスの「APROOVE(アプルーブ)」との連携によってオンライン校正が可能になります。

シエルトにアップされているPDFや動画データに対して修正指示を書き込んだり、校正者のステータス管理や全体進捗の確認など、校正フローの進捗管理がすべてオンライン上で行えます。紙によるチェックが不要なので、テレワークにも向いていますね。


デジタルアセット管理システムは、ますます必要性を増す

尾野: この先、チャネルの多様化がさらに進むのは間違いありません。働き方改革や、ウィズコロナにおけるニューノーマルへの対応からテレワークもさらに普及し、日々の業務をデジタルプラットフォーム上で行うというデジタルワークプレイスの考え方が当たり前になっていくでしょう。

このような時代において、コンテンツデータや商品情報といった販促用データは、商品を売るための材料であり、会社の資産です。データを資産としてとらえ、適切に管理・運用する必要性は、ますます高まっていくと思われます。

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2000年代初頭から印刷業界では普及してきたDAMがここへきて他業界からも注目されているのは、まさにこの販促用データの管理・運用に適した

システムだからでしょう。中でもシエルトは制作データに強いという特長があり、紙からWEBまで幅広いチャネルを駆使する企業にぴったりです。

DAMの導入を検討されているご担当者に向けて、シエルトの詳しい情報をご用意しています。ぜひご覧ください。

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尾野 貴敏

DTP黎明期からオペレーターとして従事し、その経験を生かしながら新聞・雑誌広告のデジタル化推進プロジェクトに技術要員として参加。 その後、ICTの知識を生かした技術営業として職務したのち、現在はデジタルアセット管理システム「シエルト」およびオンライン校正システム「アプルーブ」のマネージャーとして活動。