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マーケティング 2025.06.25

Web広告×Googleマップで集客強化。実店舗の集客を支援する二社連携の取り組みとは

Web広告×Googleマップで集客強化。実店舗の集客を支援する二社連携の取り組みとは
消費者へのアプローチとしてデジタル施策が主流となった現在、実店舗への集客にもその活用が欠かせません。しかし「それがどれだけ来店や売上につながっているのか」は見えづらく、課題を感じる企業も多いのではないでしょうか。

西川コミュニケーションズでは、Webマーケティング事業を展開するスタートアップ企業「株式会社エフェクチュアル」様に出資。デジタル施策による店舗集客という共通テーマを持つ当社グループ会社のdigginとの連携を強化しています。

本記事では、digginの川村起市と、エフェクチュアルの諸橋正崇様・海老根優様へのインタビューをお届け。Web広告とGoogleビジネスプロフィールの運用支援による効果的な店舗集客や、連携によって描く今後の展望をご紹介します。

diggin×エフェクチュアル 連携の経緯

―――まずdigginの事業内容について教えてください。
川村: digginは実店舗を持つ企業向けのWeb広告代理店です。Web広告からどれだけの方が来店されたのかを「Google来店計測」で把握し、来店一人あたりにかかったコスト=来店単価を見える化。この来店単価を指標として「P-MAX for store goals」で広告を最適化していくことで、集客強化に直結するWeb広告施策を提供しています。

来店計測や広告最適化の仕組みについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください
Web広告→実店舗への集客をより効果的に。「diggin」が進めるO2O向けWeb広告とは


―――では次にエフェクチュアル様の事業内容を教えてください。
諸橋様: 「テクノロジーで信頼をデザインする。」をカンパニーミッションとして、地域ブランディングに欠かせないロケーションマネジメントや、Web上の風評被害から企業を守るWebリスクマネジメントなど、さまざまな角度からオンライン上でのレピュテーションマネジメントをサポートしています。

「Googleビジネスプロフィール」の管理や、その情報を地図上の検索結果で上位に表示させるためのMEO(Map Engine Optimization:マップエンジン最適化)対策により、店舗事業者の集客を支援しています。

●Googleビジネスプロフィール
Google検索やマップでお店などを検索した際、検索結果のページにお店の写真やメニュー、ユーザーのクチコミなどが表示される表示領域のこと。
店舗側でメンテナンスをしない限りは、Googleがサイトなどから自動的に情報を収集してくるほか、一般ユーザーの編集によって作成されている。

Googleマップの上にdigginの企業名や住所、電話番号といった情報が表示されている様子

―――Googleビジネスプロフィールの運用支援はdigginでもされてきましたよね?
川村: そうなんです。せっかくお店に興味を持っていただいても、場所を調べようとして出てきたGoogleビジネスプロフィール(以下、GBP)の点数が悪ければ来店をためらわれるかもしれませんよね。定休日や営業時間などの情報が間違っていればせっかくのお客様を逃しかねません。店舗への集客にGBPの管理は欠かせないポイントです。

しかし正直なところ、GBP運用に欠かせないMEO領域の対応が十分にはいかなくて、モヤモヤしていたんです。そこに出資の話が持ち上がったので、このチャンスを逃してはいけない!と(笑)。ぜひ事業連携をさせてほしいと手を挙げました。

―――digginとしては渡りに船だったんですね。エフェクチュアル様のほうではいかがですか。
諸橋様: 当社としてもdiggin様や西川コミュニケーションズ様のようないろいろな企業とつながっている会社と事業連携させていただくのはメリットが大きいですから、大歓迎です。
diggin様もMEOの課題を抱えていらして、当社の事業にははじめからご理解をいただいてきたので、話はとてもスムーズに進みました。

海老根様: やはり弊社のMEO事業との相性がすごくいいですよね。MEO施策については私たちも課題を抱えている部分なので、組み合わせたらよりよいサービスができるのではと感じました。


出資の目的について詳しくはこちらをご覧ください
Webマーケティング事業を展開するスタートアップ企業「株式会社エフェクチュアル」への出資について


集客効果が見えづらいMEOの課題と連携の意義

―――MEO施策の課題とはどういったところでしょう?
海老根様: 1年間しっかり取り組んでいくと、2年目以降にどういった施策を進めていくかという課題が出てくるんです。

狙ったキーワードで上位表示させることや、アクションボタンへの反応率などはしっかり成果が出せるんですが、ではそれが売り上げや来店の部分にどれくらい貢献できていたかを測るのは正直難しくて。

GBPの表示のアップ画像。中でもルート・乗り換え、保存、などのボタンの部分を赤い枠で囲っているサイトやルート検索、電話といったアクションボタンをクリックした数=反応数がGBPのひとつの指標となる 

川村: やっぱり有店舗事業のデジタル施策で陥りがちなのがそこなんですよね。サイトのPV数やSNSのフォロワー数を増やすことができても、それが来店や売り上げにどのくらいつながったのかという部分がはっきり見えないんです。そこでdigginでは来店計測をお勧めしているわけで。

海老根様: 集客アップのためにMEOと組み合わせて何かできることはないかというのは常々話していまして、クライアントから広告のご相談をいただくこともありました。

ただ当社では広告を扱っていませんので、これまで広告との組み合わせ施策を行ったことはなくて。diggin様と連携することで、初めてそこにチャレンジできるようになったんです。


―――双方にとってメリットのある連携なんですね。
川村: 我々が進めてきた広告施策とエフェクチュアル様がされてきた検索エンジンからの自然流入の施策、目指すところは同じ店舗集客なんですが、意外と縦割りなんですよ。これまで交わらなかったものが交わることで、おもしろいものが見えてくるのでは、と思っています。

諸橋様: まさにそこが連携する意義かと思います。広告まわりのインサイト情報だけだとクチコミなどは見えないですよね。実はGBPのクチコミが低いせいでユーザーが来店まで至らなかったとなると、いくら広告側を改善しても成果が上がりません。今回の連携により、広告についてもより正確な分析を行えるのではないでしょうか。

川村: 両輪になってきますよね。よく私がクライアントにお話しするのは、GBPがちゃんとしていないと穴の空いたバケツのごとく見込み客が漏れていってしまうので、GBPをしっかり管理した上で広告を出しましょうということです。

その管理をサポートしてくれるのがエフェクチュアル様の「Location Connect(ロケーションコネクト)」というわけです。

GBPの運用を幅広くサポートするLocation Connect

―――ではLocation Connectについて教えてください。
諸橋様: GBPの運用業務を効率化するDX化SaaS型クラウドサービスです。GBP運用といってもさまざまなニーズがありますが、大きくわけると集客とセキュリティの二つです。それらに必要な部分はほとんど網羅しているものと自負しています。

【集客関連の機能例】

●店舗からの投稿やコメント返信の文面作成支援
GBPにはキャンペーン情報などをお店から投稿できる機能も備わっています。この文面をLocation Connect上で生成AIで作成し、そのままGBPに投稿が可能。クチコミの返信文も同様に作成できます。

●各種分析
検索順位の測定や上位表示させたいキーワードの選定・分析、反応率などのインサイト情報の分析を自動で行います。
これらの分析をツールを使わずに人力で行うのは非常に手間がかかりますが、Location Connectなら複数店舗まとめて自動で分析できます。

【セキュリティ関連の機能例】

●改ざん防止機能
GBPは一般ユーザーから修正の提案が可能であり、Googleによって提案が承認されると店舗情報が変更されます。店舗情報を第三者に書き換えられる事例は数多く発生しています。
Location Connectではこの書き換えを検知して、あらかじめ登録してある情報に自動で戻します。

Location Connectについて、詳しくはこちらをご覧ください
LOCATION CONNECT | Googleビジネスプロフィール一括管理・MEO対策・クチコミ管理ツール - 株式会社エフェクチュアル

クチコミへの対応がポジティブな評価を呼ぶ

川村: すでにdigginのクライアントも数千店舗規模でLocation Connectを導入していますので、ユーザー目線で言わせていただくと、クチコミの返信支援機能がとても好評なんですよ。

海老根様: クチコミへの返信文をAIで作成する機能ですね。絵文字などを使ったフレンドリーなものや、丁寧なビジネス文書など複数のパターンが選べますし、手動で修正も可能です。文面が作成できたら、Location ConnectからそのままGBPに投稿できます。

左上にAI返信設定と書かれた実際のツールのスクリーンショット。トーン&マナーを選択してくださいというタイトルがついたドロップダウンリストが表示されており、専門的で信頼できる、革新的でエネルギッシュな、フレンドリーで親しみやすいといったトーン&マナーが選択できることがわかるようになっている実際のLocation Connect上でのコメント生成画面。複数のトーン&マナーが選べ、自店に適した返信文を生成できます

川村: 本当に手軽なので、一度使い始めるともう手放せないというお声を聞きます(笑)。

クチコミに一つひとつ対応していくのは大変ですし、ネガティブなコメントをいただいた際、下手に返信して炎上しても困るからと返信しないお店も実はけっこう多くて。
しかし、ネガティブはネガティブを呼びます。逆にちゃんと手入れがされているところだとネガティブなコメントが入ってきづらくなるんです。そこはぜひ対応していただきたい。AIの力を借りることで、返信文も炎上リスクの少ないものができるようになりますしね。

実際、とあるクライアントでクチコミに返信していただくようになったら、全体的なスコアも安定して荒れることもなくなってきたんですよ。

諸橋様: クチコミは数や点数もGoogleマップ内の順位に影響してくる大きな要素ですし、返信は書き込みをした方に店舗がコミュニケーションをとれる唯一の場でもあります。すぐに集客につながるものではないのですが、GBP運用の重要な部分ですね。

もちろん店舗のサービス自体がよくなければ難しいという前提はありますが、クチコミを集めやすくするような店舗オペレーションの改善支援も行っているんですよ。

GBPの管理は企業のセキュリティ対策にも

川村: 改ざん防止機能にもとても助けられています。複数店舗あるとユーザーからの書き換えにその都度対応していくのは大変で。

海老根様: 書き換えって意外に多いんですよね。これは当社の実例ですが、住所の表記が全角から半角に書き換えられたということがありました。この書き換えを検知して、あらかじめ登録してある情報に自動で戻すシステムになっています。

実際のツールのスクリーンショット。2025年3月26日の日付と、改ざん元が第三者であること、書き換え箇所が住所であること、実際の書き換え内容などが表示されている実際のエフェクチュアル様の書き換え実例。Location Connect上で書き換えを検知して自動で元の情報に戻している

諸橋様: サイトとGBPで住所や電話番号などの情報がすべて一致しているほうがMEO上有利になるんですが、半角か全角かまで一致している必要があるんです。この例に悪意はないとは思いますが、マーケティングには影響が出てしまうので、そういった面でも改ざん防止機能が役立っています。


―――オーナー権を取得していても、第三者に書き換えができるんですね。
諸橋様: Googleマップはもともとユーザーと一緒に作っていくという思想のサービスで、特にローカルガイドと呼ばれるユーザーが積極的にクチコミやスポットの情報を投稿しています。そうやって精度を高めてきた歴史があるので、改ざんのリスクはありつつ誰にでも修正の提案ができるんです。


―――GBPの管理はセキュリティ面の対策という意味でも重要なんですね。
諸橋様: そうなんです。特にすでに認知度のある企業では、集客よりもリスク管理の意味合いが強くなってきます。電話番号を改ざんされてフィッシング詐欺に使われる可能性もありますし、GBPのクチコミがきっかけで大炎上したケースもあります。GBPの管理は必須になっていますね。



Googleマップが集客に果たす役割は、ますます重要になる

―――実際にGBPの管理不足で来店に至らなかった事例などはありますか?
川村: 事例ではありませんが、クライアントにご協力いただいて比較検証してみたことがあります。GBPのオーナー権を取得しただけの状態でWeb広告を出した後、内容をきちんと整備してまた広告を出しました。その間の来店計測の結果を比べてみたところ、GBPに手を入れた状態のほうが来店率が約40%リフトアップした事例もあります。

諸橋様: 当社のクライアントでも、点数が3.0未満と3.0以上の店舗にわけて分析してみたことがあります。すると3.0以上の店舗のほうが明らかに反応率がよかった。3.0が一つの分岐点になっているというデータを得ています。


―――やはりGBPを見て何らかの行動を起こす/起こさないを判断されている方が多いということですね。
諸橋様: Googleマップは間違いなく店舗集客の重要なポイントですね。スマホに標準装備されているアプリではなくわざわざGoogleマップをダウンロードしている方も多く、ユーザー数はかなりのものですし。

川村: 飲食店を探す際も以前は大手のクチコミサイトが主流でしたが、今ではGoogleマップがファーストチョイスになることも増えていますよね。

諸橋様: そうですね。これは私の個人的な使い方ですが、いいお店を探したいときはクチコミサイト、今いる場所の近くでご飯をすませようとなるとGoogleマップ、と使い分けています。お店の規模や種類によってはクチコミサイトでは埋もれてしまったりして、Googleマップのほうが情報量が多いんですよ。

以前はナビとして使う方がほとんどだったと思いますが、今ではお店探しの重要なツールになっています。今後もその傾向は強くなるでしょうね。

二社の連携で目指す店舗の集客支援

―――Web広告とGBPの連携がいかに重要なのかがよくわかりました。今後、二社でどのような連携をされていく予定ですか?
川村: 今はお互いのクライアントにWeb広告とGBP運用の組み合わせをお勧めしているところです。いずれは共同でツールの開発などもできるとおもしろいですね。まだ連携がスタートしたばかりですので、これから相互のいいところを出し合っていければと思っています。

諸橋様: 広告とGBP運用で成果を出すための導線作りや分析も一緒にしていきたいですね。私たちは単なるツールベンダーではなく、コンサルティングや教育を含めてクライアントに寄り添ったサービスを提供しています。真剣にいいサービスを提供されている店舗の皆様のお力になれるよう、私たちも安心してご相談いただけるような環境を提供していければと思っています。


―――では最後に、実店舗をお持ちの企業様へメッセージをお願いします。
川村: 日々の業務に追われてGBPの管理にまで手が回らないとおっしゃる企業が多いです。しかし実際に走り出してしまえば得られる効果は大きいです。まずは案ずるより産むが易しでやっていただければと思います。

海老根様: 私自身、Googleマップでお店を探していても情報がバラバラな企業をよく見かけます。クチコミサイトにはこう書いてあるのにGBPにはその記載がない、どちらが正しいんだろうとか。不安要素があると、やっぱり機会損失になってしまうと日頃感じます。

まずはGBPでイベント情報を発信してみようとか、そんなところからでいいので気軽に取り組んでいただきたいですね。

諸橋様: 店舗集客と言ってしまうと幅広いのですべてを網羅できるわけではないのですが、当社ではGoogleマップ関連以外でも店舗のお悩みをご支援させていただきます。気軽にご相談ください。

エフェクチュアル社へのお問い合わせはこちらから
Contact | 株式会社エフェクチュアル - Effectual Inc.

川村: digginも「リアル店舗と街、その街に住む人々の生活が活気づく」世界を目指すことをパーパスとして、さまざまな施策をご提案しています。店舗集客に関するお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。

店舗集客に関するデジタル施策について、お問い合わせはdigginサイトからどうぞ

お問い合わせ

諸橋正崇

株式会社エフェクチュアル
取締役COO / CFO / CHRO

人材紹介会社、セミナーコンサルティング会社を経て東証マザーズ上場のIT企業に入社。サービス提供部門のマネジャーとして検索エンジンのアルゴリズムの研究やサービス改善に従事。コンサルティング部長、ソリューションプランニング部長を経て2016年にサービス提供部門の責任者としてIPOを経験。その後、株式会社エフェクチュアルの取締役に就任し現在に至る。2022年版のウェブ解析士テキストのGoogleビジネスプロフィールの項目を執筆・監修。

海老根 優

株式会社エフェクチュアル
カスタマーサクセス部サブリーダー

株式会社リクルートにて、ホットペッパービューティの営業・チームリーダーを経験。現在はエフェクチュアルのカスタマーサクセス部でサブリーダーを務める。

川村起市

株式会社diggin
代表取締役 社長

前職では家電系ISPでポータルサイトの媒体開発・マネタイズ業務に従事。 NICO入社後は、主に自動車業界の得意先を担当しながら、新規事業の立ち上げを推進。