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「食・学び・遊び」を地域へ。手探りで始まった「ニコっと こども食堂」への想い

たくさんのお子さんに参加いただいた、第11回こども食堂
NICOでは、地域のお子さんや保護者の方々をお招きして、食事やお楽しみイベントを提供する「ニコっと こども食堂」を3〜4カ月に一度のペースで開催しています。
会場は名古屋本社に隣接する「SHOEI SQUARE」のカフェスペース。通算11回目となる2026年6月27日(土)の開催では、特製キーマカレーのほか、夏ならではのかき氷や自社製造の焼き立てパンのお土産などをご用意して参加者をお迎えしました。

別フロアの会場ではお楽しみイベントもご用意。NICOのマスキングロールステッカー「bande(バンデ)」を使ったキーホルダーや缶バッジづくりなどのワークショップ、ミニゲームなどでお楽しみいただきました。

イベント内容は毎回少しずつ変わるものの、bandeワークショップはいつも人気の定番イベントです
過去の開催では、プログラミングの初歩を学ぶ体験会や、NICOの祖業である印刷について学んでいただく会社見学会を実施したことも。このカレーの提供とお楽しみイベントの組み合わせが、ニコっと こども食堂の基本構成となっています。

かき氷はこの日が初登場。子どもたちは5種類のシロップを思い思いに組み合わせて楽しんでいました
予約制ではないため、どれくらいの方に来場いただけるのか事前にはわかりません。しかもこの日は台風7号と8号がダブルで襲来するというあいにくの空模様。名古屋市内への影響は少ないという天気予報ではあったものの、「今日はあまり人が来ないのでは」と、スタッフたちもソワソワ。しかし、ふたを開けてみれば、前回の51名を上回る58名の方にご来場いただきました。
「また来たよ!」と元気に声をかけてくれるお子さんもおり、すっかり地域に浸透している様子がうかがえます。

お土産のパンは、NICOのBPO拠点であるBPOセンターでその日の朝に焼いたもの(※画像は過去開催時のもの)
自社製造のパンについてこちらの記事もご覧ください
会社にパン職人?!働く場所がもっと楽しくなる福利厚生~会社で食べられる焼き立てパンとは?~|つつつ@西川コミュニケーションズSDGs
手探りのスタートから「ハレの場」が生まれるまで
―――なぜNICOがこども食堂を実施することになったのでしょう?
神谷: きっかけは、2021年に社内有志で結成された「SDGsを考える会」でした。17のゴールのうちいくつかのテーマごとに推進委員会が立ち上がり、中でも「平和と公正をすべての人に」を掲げたチームが、現在のこども食堂運営チームにつながっています。私もこのチームに所属していました。
このテーマの中でも特にメンバーの関心が高かったのが、子どもに対する支援です。また、NICOはBtoB企業ということもあり、地域の皆様と直接触れ合うような地域貢献がなかなかできていないという課題意識も以前からありました。地域社会に何ができるかを模索していく中でたどり着いたのが、こども食堂でした。
12時過ぎのカフェスペース。この日は満員で、少しお待ちいただくご家族も出るほど
―――なるほど。しかし地域貢献には他にもさまざまな形があったと思います。そのなかでもこども食堂を選んだのはなぜですか?
神谷: 案はいろいろと出ていたんですよ。アフタースクールやフードバンク、それから、NICOが直接的に子どもを支援するのではなく、支援団体にNICOの本業を生かしたサポートをすることも考えていました。
しかし、体制構築や食材の管理といった現実的なハードルもあり、実現はなかなか難しくて。NICOとして、もっとも地域に寄り添った支援ができる形を模索した結果、こども食堂に落ち着いたんです。
―――しかし、一般的なこども食堂のように、常設で日常的な子どもの食をサポートする場とも少し違いますよね。なぜこのようなイベント形式になったのでしょう。
神谷: もともとアフタースクールが候補に挙がっていたように、お子さんに学習や経験を提供できる場所にしたいという想いがあったんです。地域社会の中で「食と学びと遊び」を提供して、お子さんの可能性を広げること。そして育児中のご家庭の負担を減らすこと。そのための「地域のお子さんに気軽に来ていただける祭りイベントにする」というビジョンは、早い段階から固まっていました。
現在の3~4カ月に一度というペースは、提供するもののクオリティの維持、そしてスタッフとして参加する従業員の負担を考えた結果ではあります。とはいえ、そのぶんしっかりと中身を作り込むことができています。参加された方から「日常とは少し違う気分が楽しめるハレの場ですね」と言っていただいたこともあり、当初の狙いはしっかりと形にできていると思います。
「もっと回数を増やしてほしい」といった嬉しいお声をいただくこともあるのですが、ペースを変える予定は今のところありません。

―――今でこそ狙いどおりに形になっていますが、最初の立ち上げから順調だったのですか?
神谷: いえいえ、本当に右も左もわからなくて大変でしたよ。会場運営の部分はもちろんですが、どうすれば地域の方々にこの活動を知ってもらえるのかもわからず......。とにかく地域の社会福祉協議会へ飛び込んでみて相談したり、近くのこども食堂に見学に行ったりして。
普段の業務より大変なくらいでしたが(笑)、でもとても勉強にもなりましたね。社内では私は人事の責任者という立場があるため、普段の業務なら話を聞く側もその役職に応じた対応をしてくれます。しかし地域活動の場では、まず「私たち、西川コミュニケーションズという会社なのですが」という自己紹介からスタートです。社内から集まってくれたスタッフに対しても同じで、あくまでいちボランティアとして、フラットな立場でいろいろと考えたり動いたりすることは、非常に勉強になりました。

―――本当に手探りのスタートだったのですね。
神谷: だから第1回の開催時、最初の参加者が来てくださったときは本当にうれしかったですよ!
私は受付担当なのでずっと入り口にいるのですが、本当に人が来てくれるかどうか、外を眺めながらずっとソワソワして。他のスペース担当のスタッフも、スタートの12時近くになると入れ代わり立ち代わりで受付を見に来てましたね(笑)。今でもこの活動をしてきた中でもっとも嬉しかったことといえば、最初の参加者が来てくださったあの瞬間です。
第1回の様子はこちらの記事もご覧ください
【たべる、つくる、あそぶ】食×創作を掛け合わせた『ニコっとこども食堂』ってどんなところ?
スムーズな運営を支える、ボランティア従業員の存在
―――これだけ多くの方が来場されるとなると、会場スタッフも大勢必要ですよね。普段は何名ほどのメンバーで運営されているのですか?
神谷: まず、もともとの「SDGsを考える会」のメンバーが6名。さらに開催ごとに社内でボランティアスタッフを募集しており、日によって変動はありますが毎回5~10名ほどの体制で運営しています。
プロジェクトのメンバーはもちろんですが、ボランティアスタッフも第1回から継続しているメンバーも多く、すっかりチームワークができあがってスムーズに運営できるようになりました。

カフェスペースとお楽しみイベント、それぞれ担当に分かれてお子さんたちを迎えます
―――今回は、そのボランティアスタッフの一人である加藤さんにもお話を伺います。加藤さんは、なぜ参加しようと思ったのですか?
加藤: こういったイベントは普段の業務では関われない他部署の方々と繋がりを持つ機会でもありますし、もともとお祭りやイベントが好きで、社内のイベントには積極的に参加するようにしているんです。もちろん、純粋に楽しそうだと思ったのもあります。
―――では、もともと子どもへの支援や、ボランティア活動自体に強い関心があったというわけでは......?
加藤: 特に子ども支援を意識していたわけではないんです。子どもと接するのは楽しいという思いはありましたが、こういったボランティア活動はこれが初めてです。
私は2025年にNICOに入社したのですが、前職でもこうした社会的な取り組みはしていませんでしたし、なかなか参加するきっかけ自体がなかったんですよね。

―――会社の取り組みがいいきっかけになったのですね。そんな初めてのボランティア参加、当日はどのようなことをされているのですか?
加藤: 趣味であるボードゲームを活かして、お子さんたちと一緒に遊ぶブースを担当しています。これまでストラックアウトなどの体を動かすゲームはありましたが、座って遊ぶようなゲームはなかったので、幅が広がっていいかなと思って私から提案しました。
―――具体的にはどのようなゲームを用意されているのですか?
加藤: 未就学のお子さんでも楽しめるような図形を揃えるゲームや、大人でも一緒に楽しめる頭を使うゲームなど、数種類を用意しています。
選ぶ基準として意識しているのは「明確な勝敗がつかない」ことです。はっきりと勝ち負けが決まってしまうと、子ども同士だとどうしても揉めてしまう可能性がありますよね。そこで本来ははっきり勝敗がつくゲームでも「みんなでクリアできたらOK」といったふうにルールを少しアレンジして楽しんでもらったりしています。
ちなみにこの「どうすればみんながフラットに楽しめるか」を考えることは、仕事にも活きているんですよ。これまでとは違った多角的な視点で業務を捉えられるようになったと感じています。
―――仕事への向き合い方にいい変化が出ているのは素晴らしいですね。他にも変化はありますか?
加藤: 最初は不慣れなこともあって緊張していましたが、今では自分自身が一緒になって楽しんでいます。やっぱり子どもたちが楽しそうに遊んでいる姿を見るのはうれしいですよね。前回参加してくれた子が私の顔を覚えていて、「楽しかったから、また来たよ」なんて声をかけてくれたこともあるんですよ。

「楽しい場所」であり続けるための挑戦
―――着実に地域に浸透しているようですが、今後はどのような展開を考えていますか?
神谷: こういうことをやったら喜ばれるのでは、というアイデアはたくさんあります。予算や工数との現実的なバランスを考えながらですが、今回のかき氷のような季節感のある企画は、今後も取り入れていきたいですね。
それから、学びの要素をもう少し手厚くしていきたいです。遊びの面は、加藤さんがボードゲームを導入してくれたように順調に拡大していますので、子どもたちの学びになるような仕組みも新しく作れたらいいですね。
加藤: 本業を活かしたイベントも楽しそうですよね。例えば私は3DCGを扱うデジタルツイン部のエンジニアですので、ARやVRを活用できれば楽しそうだなと思っています。スマートフォンを使ったARなど、最新のデジタル技術に触れてもらえるような体験会などいかがでしょう。おもしろそうな企画ができれば、コンテンツは作りますので!
神谷: 当社のプロダクトやサービスを子どもたちに体験してもらえる取り組みは、ぜひ実現したいですね。こうした体験が、子どもたちが将来やりたいことを見つけるきっかけになれば嬉しいです。いつかそれがきっかけでNICOに入社しました、なんて人が現れたら最高です(笑)。
―――そんな未来の仲間が本当に現れたら最高ですね! こういった取り組みは他社からも注目が集まりそうですが、実際に周囲の企業からの反響もありますか?
神谷: 私たちの活動に賛同して、お力を貸していただける企業も増えています。でも私たちが本当にやりたいのは、他の企業さんでも同じような地域貢献の活動がどんどん立ち上がっていくことなんです。
実は、他社の方から「どうやってこども食堂を運営しているのか」「予算や頻度はどうしているのか」と相談をいただく機会も増えています。ただ、実際に形にするのはなかなか大変なんですよね。
―――やりたくても二の足を踏んでしまう、具体的なハードルはどこにあるのでしょうか。
神谷: わかりやすいところで言えば、食中毒やアレルギーといった食品管理のリスクです。それから万が一、来ていただいたお子さんがお怪我をしてしまったときなどの事故のリスク。会社としてそういったリスクをどう受け止めるのか。
そこは私たちも立ち上げ時に議論になりました。リスクをひとつずつ整理して対処法を考えるのは、やはり非常に時間がかかる作業です。「やりたいけれど、現実的には難しい」と断念してしまう企業さんが多いのは、そこが理由だと思います。
―――その高い壁を、NICOが越えられたのはなぜですか?
神谷: 経営陣が「それでもやるべきだろう」と腹をくくってくれたことが大きいです。結局は、そこで覚悟を決められるかどうかなんですよね。一見、困難なことでも、強い意志を持って本気で取り組めばなんとかなる。そういうものだとこの活動を通してよくわかりました。
―――ノウハウや仕組みの前に、まずは企業としての「本気度」が問われるわけですね。
神谷: そして一番大切なのは「その企業が本当にそれをやる意義を考えているか」です。「会社の宣伝になるから」といった表面的な理由では、絶対に長続きしませんし、重大な責任を受け止めきることはできません。
そういった考えも含め、私たちが手探りで培ってきた運営のノウハウを体系立てて整理し、他社さんでも真似できるような説明パッケージとして提供できたらいいな、とも考えています。
―――では、NICOの「ニコっと こども食堂」そのものは、最終的に地域の皆さんにとってどのような場所であり続けたいですか?
神谷: 「誰でも来られる、楽しい場所を作りたい」という想いは、最初からずっと変わりません。「ここは楽しい場所なんだ、自分たちも行っていいんだ」と、地域の皆さんに感じていただける場であり続けたいですね。
そんな私たちの想いが詰まった「ニコっと こども食堂」、次回の開催は2026年9月5日(土)を予定しています。お近くの方は、ぜひ気軽に遊びに来てください。
「ニコっと こども食堂」についてのお問い合わせはこちら
お問い合わせ神谷昌宏
西川コミュニケーションズ 人事責任者 販促物の制作業務を担当後、制作部門マネジャーとして売上拡大に伴う体制構築・運用フロー策定に携わり、採用から教育計画・労務/品質/数字管理まで幅広く経験。クライアントへの出向を経て、現在は人事責任者として全社制度設計や教育施策の立案を担当。
加藤公平
西川コミュニケーションズ デジタルツイン部 前職で遊技機のプログラム開発、企画提案の業務に携わる。VRなどの最新技術分野に可能性を感じ2019年にUnityエンジニアに転身。VRを中心としたアミューズメント向け、企業向けのコンテンツを複数制作。現在はUnity開発とマネジメントを担当
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